厳寒期にはマイナス15℃にもなる岩手県北の九戸村で、地域に寄り添いながら、そんな家づくりに携わってきました。高齢化が進む地域でもあり、ヒートショックの予防や高齢独居世帯も増えているなかで、断熱・気密といった性能を明確にし、イニシャル・ランニングともにコストの「見える化」に努めています。 Q値1・6W/㎡・K以下(次世代省エネ基準北海道仕様)はQHOMEの標準仕様です。平均はQ値1・4W/㎡・K、C値0・5㎠/㎡。プランごとに計算書を作成し、光熱費のシミュレーションは欠かせません。 断熱は新築・断熱改修ともに、高性能グラスウールを充填。壁内には気流止めを設置し、断熱材の性能を最大限に発揮させる。これによって、同じエネルギー消費量でも暖房面積は3~5倍に増加。気密・防水シートで熱・水蒸気を科学的にコントロールして結露をなくし、木材の腐朽をも解決。自重、積雪などによる垂直荷重は柱、地震・風圧などの水平荷重は床や壁、天井の面材で支えることで、高い耐震性能も実現しました。 自然エネルギーの利用も積極的に活用し、通風・日射の取得を主とするパッシブデザインを得意としたエネルギー消費量のさらなる削減に挑んでいます。躯体での高性能化を極限にまで高め、過剰設備を抑制しようと努力しています。
先代の思いを継承しながら、温熱環境を新築同様に改善。同時に耐震改修も実現でき、単なるリフォームとは似て非なる工法があることは、説明があって初めて知ったという施主様。 重厚なヒノキの柱とマツの梁は、再利用。屋根には高性能グラスウール24キロ200ミリ、壁と床には同16キロ150ミリを充填。それらを気密シートで覆い、つなぎ目を丁寧に気密テープで塞ぎ、気密施工を熟知した自社大工による地道な作業が「暖かさ」の要となります。 耐震改修として、壁には耐力壁、床には根太レス工法。根太レス工法は地震など横からの負荷に弱い根太のかわりに床下地合板を従来より厚くして床梁に直接貼り付けます。耐力壁同様、横からの負荷を面全体で受けとめることで耐震性が向上します。 間取り変更と鉄骨階段を利用して日射量も増え、室内が明るくなっただけではありません。断熱性能も奏功し、春や秋は日射だけで暖房がいらないほど暖かい。光熱費は厳寒期でも2万円前後と旧宅の半分以下となりました。 改修後は、以前にも増して、お孫さんたちが頻繁に訪れるようになり、加齢後も安心して暮らせる快適さと安全性、割安な光熱費。先代の面影を随所に残しながら、次の時代に心も身体も癒される家を繋ぐ、そんな家づくりを目指しています。
断熱改修 壁の断面図
耐震・断熱改修工法
※資料:北海道立北方建築総合研究所
築xx年のA様邸。 建て替えを考えていたが、 弊社のアドバイスで断熱改修を選択。 快適で省エネな温熱環境と耐震性向上をめざしました。
随所で部材が傷んでいるのがわかる。一般的なリフォームでは、そのまま隠してしまうケースもあるが、 QHOMEの断熱改修工事では小さな痛みも見逃しません。
いったん躯体をスケルトンにして腐朽した部分などもれなく確認。 ヒノキがふんだんに使用され、柱や梁は磨いたうえで再利用しました。
床下は基礎断熱施工し、床面にも高性能グラスウールを充填。 床暖房でなくても床面の温度は18℃から下がることはなく ,真冬でも素足で過ごすことができます。
断熱・気密性能は北海道レベルとなり、 わずかな光熱費で全館暖房が可能となりました。
新築同様の室内。 屋内の温度差はほとんどなく、真夜中でも パジャマのままトイレに移動できるようになりました。
開口部は断熱性能の高い樹脂サッシ+ペアガラスを採用。 コールドドラフトを防ぎ、隙間風も一切ありません。